夢を売る男

21冊目
『夢を売る男』 百田尚樹

久しぶりに小説を読んだ。わりとすぐ読める本で発想が面白く楽しめた。
本の中では出版業界の不況の様子がありありと書かれていて、やはり小説は売れないんだなと、昔から小説を読むのが好きな身としては少し哀しくなった。

途中出版業界や売れない作家をこき下ろす場面や著者自身を叩く?場面も入っている。様々な場所で問題視されるような発言や行動がある著者ではあるが、「永遠の0」、「海賊と呼ばれた男」、そして「夢を売る男」と自分が読んだものだけでもこれだけ毛色が違う作品を作れることは素直に尊敬する。もちろん作品と作品以外での行動の是非は分けて考えるが。

残り79冊!

夢を売る男 (幻冬舎文庫)

夢を売る男 (幻冬舎文庫)

これからの働き方

20冊目 『モチベーション3.0』ダニエル・ピンク著 大前研一

人の働き方、モチベーションについての本。経営者はどのように従業員に働いてもらうか、私たちはどのように仕事を位置付ければよいのかについて考えている。従来の「アメとムチ」、報酬と罰によるモチベーションをモチベーション2.0とし、それに対してこれから求められている動機付けとして内発的動機付けをモチベーション3.0としている。

著者はアメとムチではなく内発的動機付けによって成功した事例としてwikipediaを挙げ、創造的な仕事をするにはアメとムチは逆影響を与えることを実験から示し、これからの時代には企業が従業員にどのように働いてもらうかを、思想的、制度的に変えていく必要があるとしている。

出版されたのは少し前の話ではあるが、まだまだ著者が提唱したような働き方の変化は見られないように思える。AIの発達によってより人間には創造的な仕事が求められることを考えると、働くことへの動機付けの変化を促していかなくてはいけないと思う。

残り80冊!

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか

思想としての仏教入門

19冊目
『思想としての仏教入門』 末木文美士

仏教の入門書を連続で読破。既に一冊読んでいる分理解がしやすかったが、全体的に細かい事象に関する記述が多く、まだ自分が読むには少し難易度が高いと感じた。

知識としては知らないことばかりで例えば四十九日が

なお、死後四十九日は中有と呼ばれて来世に生まれ変わる中間状態で、その間に、もはや善行を行うことのできない死者の代わりに生きているものが功徳を積むと、その力でよい生まれを得ることができると信じられた。死後の供養がなされるのはこのたまである。

という理由であったとは知らず(幸いにも今の所身内に不幸がないこともあるが)、まだまだ知らないことだらけだと感じた。逆にそれは新しいことを知れる楽しみがまだまだあるということなので、楽しんでいきたい。

残り81冊!

思想としての仏教入門

思想としての仏教入門

仏教の入門書

18冊目
『はじめての仏教 その成立と発展』 ひろさちや

仏教とはどういうものなのかを、仏教がどう成立し、どのように発展してきたかを通して解説している本。
仏教の考え方とその考え方が生まれた背景を丁寧に説明していて非常にわかりやすい。
後半では日本での仏教の発展について述べていて、小学校・中学校でならったような鎌倉仏教の話も一人一人について解説している。この本を少し読んでから勉強するだけで、歴史の理解も違ったものになっただろうなと感じた。やはりまず全体の流れをつかんでから個別の項目を学んだ方が理解しやすいというのは、どの学問でも共通な気がする。

今月は読破数10冊突破で順調だったので、来月も読書の時間を取れるように頑張りたい。

残り82冊!

はじめての仏教―その成立と発展 (中公文庫BIBLIO)

はじめての仏教―その成立と発展 (中公文庫BIBLIO)

モーム短編集

17冊目
『雨・赤毛 ーモーム短編集 Ⅰー』

イギリスの著名な小説家モームの短編『雨』、『赤毛』、『ホノルル』を収めた短編集

良い意味で古臭くなく、読者を裏切るような唐突な結末が印象的。

残り83冊!

雨・赤毛 (新潮文庫―モーム短篇集)

雨・赤毛 (新潮文庫―モーム短篇集)

目に見えないもの

16冊目
『目に見えないもの』 湯川秀樹

日本が誇る物理学者である湯川秀樹氏が序盤は理論物理学の概要について、後半は主に自分の生い立ちや考えについて述べている。

周りに感謝し、自分の専門でないことについては無知を認め、国のために尽くすことを厭わない湯川氏の人柄が強く感じられた。

書物についても何度も触れていて、

水は凍ったときに初めて手でつかむことが出来る。それはあたかも人間の思想が心の中にある間は水のように流動してやまず、容易に補足し難いにもかかわらず、一旦それが紙の上に印刷されると、何人の目にもはっきりとした形となり、もはや動きの取れないものとなってしまうのと似ている。まことに書物は思想の凍結であり、結晶である。

と述べている。

今月も8冊の目標を達成できたので、引き続き100冊に向かって進んでいきたい。
残り84冊!

目に見えないもの (講談社学術文庫)

目に見えないもの (講談社学術文庫)

レジリエンスの入門書

15冊目
『リーダーのための「レジリエンス」入門』 久世浩司著

NHKクローズアップ現代」でも取り上げられたレジリエンスに関する入門書
レジリエンスとは「打たれ強さ」のことで、筆者が何人かのリーダーに行ったインタビューをもとに、レジリエンスとは何か、レジリエンスを身につけるためにはどうしたらよいか、について述べている。 どちらかというとHowTo本に近いが、特に取り上げられているリーダー達の経験が、読んでいて面白かった。やはり人生は一筋縄ではいかないな、と。

残り85冊!