目に見えないもの

16冊目
『目に見えないもの』 湯川秀樹

日本が誇る物理学者である湯川秀樹氏が序盤は理論物理学の概要について、後半は主に自分の生い立ちや考えについて述べている。

周りに感謝し、自分の専門でないことについては無知を認め、国のために尽くすことを厭わない湯川氏の人柄が強く感じられた。

書物についても何度も触れていて、

水は凍ったときに初めて手でつかむことが出来る。それはあたかも人間の思想が心の中にある間は水のように流動してやまず、容易に補足し難いにもかかわらず、一旦それが紙の上に印刷されると、何人の目にもはっきりとした形となり、もはや動きの取れないものとなってしまうのと似ている。まことに書物は思想の凍結であり、結晶である。

と述べている。

今月も8冊の目標を達成できたので、引き続き100冊に向かって進んでいきたい。
残り84冊!

目に見えないもの (講談社学術文庫)

目に見えないもの (講談社学術文庫)