マイ仏教

24冊目
『マイ仏教』みうらじゅん

マイブームという言葉をつくったみうらじゅんさんが仏教について語っている本。
仏教の説明をしているというよりも、みうらじゅんさんの仏教に関するエッセイに近いので、あまり肩に力をいれず読める。

みうらじゅんさんの仏教に対する考えについいても述べられていて、個人的にすごくいいなと思ったのが、「自分なくし」という考え方。日本人はよく「自分探し」をしたがるけど、自分とは本来「空」であるので探しても見つからず、苦しくなってしまう。それなら考え方を変えて「自分をなくす」ことに注力すればいいんじゃないかとみうらじゅんさんは言っている。具体的に本文では

自分らしさへの可能性については熱心なのですが、「自分をなくす」可能性には目を向けません。自分をなくせば、変わることが簡単にできるし、それは思っているより悪いものではないかもしれません。
<略>

「自分探し」よりも「自分なくし」。これこそが、生きる上での大事な心構えなのです。

自分をなくせば簡単に変わることができるというのは、レジリエンスなんかにつながるのかもしれない。なにかと辛いことが多い世の中だからこそ、「自分なくし」という考え方は持ってていいんじゃないかと思った。

後は「南無阿弥陀」のように自分の念仏をもったらいいともおっしゃていて、みうらじゅんさんにとっての「南無阿弥陀」は「そこがいいんじゃない!」という言葉らしい。

言葉があることが原因で、他人との比較を生んでしまい、それが苦しみの原因だとするならば、それを逆手にとって、言葉を上手に使ってポジティブになれる方法もあるのではないかと思います。 私はどんなに辛いときも「そこがいいんじゃない!」と思うようにしています。

自分でも一つぐらい念仏をもってたいなと思う。エッセイで軽めの文章ではあるが、考えさせられるとろが多い一冊だった。

残り76冊!

マイ仏教 (新潮新書)

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